(2003年2月 スライド学習会)

 今回は総会から切り離されて独立した日取りで行われた学習会ですが、多くの上映者が参加し、長丁場となりました。しかし、その分有意義な学習会となったと言えます。新しい会員さんも一気にたくさんのキノコの写真を目の当たりにして、大いに参考になったのではないでしょうか。(フィールドでの本番はこれからです。お疲れ出ませんように。)

 神戸クリスタルタワー4Fの創作工房は、調理実習の出来る部屋ですが、あいにく他の部屋が満室で、ここに投影機材を借りてスライド学習会を実施しました。

 まず最初に、中嶋が皮切りに顕微鏡写真を交えて、同定の難しいキノコを披露し、一同一気に疲労したところで、名部女史の鮮烈なデビューとなりました。
 紫水晶のような(会称)ロッコウノヒナサンゴや、四重の塔になったチチタケ属の一種のキノコ、オオオニテングタケ、珍妙な模様の地下生菌など、さすがフローラ調査部の中軸という内容です。
 続く田中氏のキノコ32種は、撮影に至る経緯や背景など思わず笑みのこぼれるひょうひょうとした解説にスライドの絵も生き生きと映し出され、特に多くの腹菌類が印象的でした。
 阪本氏のナラタケモドキを題材にした満足のいく写真づくりへの過程の解説も印象的で、「感動した瞬間にまず1枚撮る」という言葉が脳裏に残っています。
 岩崎氏からはこの1年を振り返った簡潔な報告で多くのキノコを振り返ることができました。専門的にはコタマゴテングタケの根元が紫色の個体の写真に注目が集まっていました。
 山上氏は、クイズ第2弾というより、もっと試験問題に近づき、英検を受けて以来の緊迫した中での映写となりました。山上氏の企画を出せるその取材力が会場を真剣にさせるのでしょう。
 つづく三村女史のデビューは、写真専門家集団その2の土屋師匠のまな弟子ということよりも、最初のあまりにもシャープな1コマに会場のここそこから感嘆の声が漏れていました。
 土屋氏は、他には凌駕できない明るく凛々しいキノコの写真で当会周辺では著名です。クズヒトヨタケのプリーツの、どアップも三脚無しで全く手ぶれ無しという人間わざとは思えない写真に、会場は驚嘆の渦と化しました。
 トリは名部氏。やはりこの1年で発見された当会初のキノコ、キノコ研究者の間でも話題となっている注目のキノコの数々が披露され、総括となりました。

 このほかにもキノコの写真を撮り続けている会員は少なくないので、次回からはさらに多くのデビュー作品と、凝った趣向の上映が期待されます。

(写真:スライド会風景)