( 夏の研修会 2003年8月10日 )

 顕微鏡実習をお願いした昨年の研修会に続き、今年は長沢先生にキノコに関するお話をお願いしました。
愉快なレポートは、水梨亜さんです。

しいたけ会館に長沢センセの講義を聴きに行こうツアー!!

by水梨亜

 それは鳥取駅の横を曲がったドン突きに突然現れた。
 日本きのこセンター、きのこランチの大きな広告、展示されたのきのこレプリカ。きのこだらけ。すごい。すごすぎる。
 会場となったしいたけ会館はいろんな意味で想像を越していた。
ぎりぎり遅れて到着した私たちが会場へ入ると、もう皆さん時既に遅しと待ち構えておられた(スミマセン)。
 聞きしにまさる盛況ぶり。ちょっと遠いところではあったが皆さんの意気込みが感じられる。高校生トリオの姿も見える。みんながんばるなあ。。。

 まず 最初に事務局長より長沢先生の紹介があった。
 改めて聞けば聞くほどすごい先生である。新菌類図鑑にも執筆されている先生のお話を聞ける機会だけでもありがたいと思っていたのだが、実際話しを始められた先生はとても気さくで、懇切丁寧にいろんなお話しをしてくださった。

 お話は「きのことは何か」というところから始まり、分類、ハラタケ目の特徴について進められた。
 きのことは何かについては、その作り・栄養の摂取・繁殖の3点からお話があったのだが、詳しい内容であったにもかかわらず、先生の丁寧なご説明と興味を失わせないお話の進め方で、とてもよく理解できたように思う。
 分類へ話が及ぶと先生は図などを加えながらご説明くださった。個人的には先日初めて見たマメザヤタケの構造についてお話しを聞けたことはありがたかった。

 お昼の休憩時には、用意されたお弁当を皆さんで頂いた。
 当然、きのこ類の姿も見える。自然と会員同士でこれはなんだ???という話になるが、なかなか皆さん名前が出てこない。
 すると先生から「ヤナギマツタケですよ。」とのお返事だった。ほお。これがね。なかなかおいしい酢の物だった。
 その後、いくつかのきのこが先生の前に並べられたのだが、中には新種とされるものがあった。ひだが非常にきれいな色でフルーティーな香りのするきのこであった。その新種ですら先生はどこで発生しているかとか個体の特徴などをすらすら述べられる。

 講義終了後も同定会となったが、私の目などから見ると違うと思える個体も先生の手ですべて同じものと判断されていく。やはり集める個体がその種の特徴をちゃんと備えたものであるかが判断できるようになるまではこうやって勉強させていただくのが一番近道だなあと思った。

 今回は普段お会いできない会員の方の姿もお見かけした。特に長沢先生のお弟子さんは初めてお目にかかったが、HPのイメージどおりのかわいらしいお嬢さんだった。
 また会員の方が持っていらしたアメリカの面白い図鑑を拝見したりもして楽しい時間を過ごさせていただいた。

 最後に同定するにあたって大切なことをいくつかまとめられていた。お話しを聞いていて、改めて、自分のきのこ採集の仕方を振り返らせられる点がいくつかあった。恐らく、多くのベテランのアマチュア研究家にはごく当たり前なのだろうが、私のような駆け出しにも、はっとさせられるような基本から丁寧にご指導くださる点は本当にありがたい。
 いつも言われている顕微鏡による観察に加えて胞子紋の観察も重要であることも認識できた。

 これからきのこはどんどん発生する時期を迎える。その前に先生のお話しを聞けたことはとても大きな意味を持つだろうと思う。
 きのこを初めて1年目にして、このような機会が持てたことを大いに感謝するところである。
次はぜひ、温泉にゆっくり浸かって、翌日にでも観察会なんかができたらいいななどと思ったのは私だけだったであろうか。
 「難しいこともわかりやすく」という前フリで乗り込んだ鳥取行きであったが、まさしくその通り。 長沢先生の魅力で、ますますきのこにはまりそうな予感である。