六甲山自然案内人の会「再度公園のキノコ観察」案内記

2009.6.17

/五 岳

 

六甲山自然案内人の会(以下同会という)主催の自然観察会「再度公園のキノコ観察(613日)」に指導案内人(同会のホームページによる)としてSさん、Aさんと再度公園でのきのこ観察に行って来た。昨年までの当会からの派遣講師は中枢メンバーの諸氏で、今回はSさん、Aさんまでは今までと同様だが、他の皆様のご都合がつかないとかで、一人下名のみが新米講師。

「定点観察会での同定も覚束ないのに、よくやるなぁ」と思われるかもしれないが、何とか案内人を務めた。これは当日の観察案内記である。

 

     参加者

同会ではホームページで会員以外からも一般参加者を募っており、当日は50名近い参加者。一般参加者が過半数。好天に恵まれたとしても、これだけの参加者は自然観察、とりわけキノコへの関心の高さを示すバロメーター、驚きである。

お見受けしたところ年齢層はミドルからシルバーエイジ。

 

     オリエンテーション

参加者には観察や採取のポイントなどを纏めた観察要点の栞(当会のSさん作成)が配布されているが観察開始に先立ってSさんからあらためて要点説明。キノコを見つけたら取り込む前に周りの生育環境を観察、地中の根元も取り込む、写真はどのように撮るか、蝮に注意など具体的に説明。皆さん観察の七つ道具も用意され、真面目に傾聴。

 

     いざ観察

 参加者が多いので3グループに分かれ、池周辺はSさん、梅林方面はAさん、大龍寺  

 方面は下名が案内する。大龍寺方面は月例会で馴染みのコース。今頃このコースの目玉はなんといってもカンゾウタケ、歩きながらカンゾウタケの見つけ方を説明。

 歩き始めて数十メートルも行くか行かないうちに「ありましたぁ!」の声。一同声のする方へ集まる。道端の草むらに赤褐色の小さな傘がぽつぽつ、何だろう?ひょっとしてキツネタケ?発見者「先生!こうやって採ればいいんですか?」と芝生の草引き道具を地中に刺す。

 しかし「先生!」には参った。キノコ案内で先生と呼ばれるとは思いもしなかった。おぼろげな僅かな知識、とても先生などと呼ばれる知見もないが本日只今は仮にも案内人。ま、「先生」をありがたく、かつ、こそばゆく拝受。

 ひとたび採取要領が分かると、飲みこみの早い皆さん、後は適宜探すことにする。

 いままでは小さなキノコには関心がなかったので小さなキノコを「これ何ですか?」と尋ねられても良く分からない。乏しい知見で内心忸怩たる思いなきにしも非ずだが、ここは「キツネタケというキノコの一種というかその仲間ですかね、午後の同定のときに確かめましょう」などと鷹揚に構える。

 目指すカンゾウタケもあって一安心。濃紅色のカンゾウタケには驚きの声。初めに見つけたのは、あまりにも小さく「こういう小さなものは観察だけに留め、採らないでおきましょう」。

 

     同定

Sさんの記録によれば、サンプル採取が70種を超える多さ。参加者が多いとはいえ、この数は熱心さを如実に示すものといえまいか。2テーブルに分けSさん、Aさんが手際よく62種を同定。種名をつけられなかったのが10数種とのこと。

 

     余話

 同会からSさん宛のお礼メールを拝見すると、「参加者が多く、満足していただき大成功。今後もよろしく」とあり、Sさんの歯切れのよい解説に当会へのファンが増えたに違いない。下名もお手伝いのし甲斐があったと充実感に浸る。それにしても日頃の努力が足らんなぁと痛感。ここ3年ほどの定点観察記録と図鑑を繰り返し開き、それなりの努力を重ねたものの所詮一夜漬け、終わった途端大方は忘却の彼方へ。旧の木阿弥に似たりかも知れないが、これも貴重な体験。未経験の方は次の機会に是非案内役を。

 

 

本日の講師

左からSAY

通称SAYの3人

 

 

 キノコをはじめたきっかけは何かと言う質問を受けた。ご他聞にもれず食だと言う答えに安堵の表情。

年齢層は五十台から七十台が主。相対的に学習意欲が高そうである。

会員10人で三つの班を誘導されていたが、私の班では一人が私に付きっ切り、残りの三人で初心者または始めての参加者七八人を掌握、誘導されていた。二三年前にこの会の人と定点観察に参加したが、その時よりうまく連携プレーをされていたように感じた。(A

 

 

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