兵庫きのこ研究会

修法ヶ原定点観察会(2007.11.18)

 

最後の定点ということで多くの参加者が集いましたが、折からの乾燥気候で、キノコの果は少なく寂しい観察会となりました。

しかし、あの、ワカクサウラベニタケやツヅレシロツチダンゴ、ホシノミタマタケなどの珍しいキノコに加え、寒風吹きすさぶ中でテングタケ、モエギタケなどの暖かい季節を思い起こさせるキノコが顔を見せていたのには驚きました。

サンプルは出ていませんでしたが、アラゲコベニチャワンタケやサンコタケも観察されました。

また、1本だけでしたが採取されたスッポンタケは通常修法が原で見られるものよりとても太く立派な個体でした。

オオショウロの個体で径10センチにもなったものも驚きです。ただ、どろどろの温めたシュークリームのような中身をしたもので、強烈な、苦そうな匂いが漂ったため、とても持ち帰る気はしなかったのですが・・・

さらに、この日は刷り上がった「兵庫のキノコ」の初のお披露目の場となりました。

これで、ワカクサウラベニタケの同定が会員の皆でできるようになったのがとても嬉しいことです。

(文/なきのこ)

 

 

今日は木枯らし1号が吹き、散り急ぐ木の葉や、ざわざわと騒いで「冬の訪れが近いヨ」と言っているようだ。

さんじょう氏、買うとく氏が私用や公用で欠席。なきのこ氏が取り仕切り、図鑑の必要部数の申し込みの話がありました。

山は乾燥していて、大竜寺を下見に行った限りでは何も出ていないとの情報で最初から諦めムード。 それでもトイレの近くにモエギタケが1個体、そして先月に大群生していた場所にサンコタケの残党がちらほらと発生が認められました。

仙人谷へきのこ鍋に提供したハタケシメジを求めて半数近くの人が探策。若干の収穫がありました。イグチではヌメリイグチ、チチアワタケが割合多く、それに引き換え定番のムラサキシメジの発生が少なく、それも乾燥した個体や、老菌ばかりでした。

そして、今年は一度も雨に遭わず、特に7月の定点では台風も避けるアクシデント? 皆さんお疲れさんでした。来年もこの調子で頑張りましょう。

(文/雨降らしの尊)

 

 

 

 

 

2007年11月度 修法ヶ原観察記録

天候:晴れ
参加者:20名
27種同定

 

和名

属名

科名

1

ハタケシメジ

シメジ属

キシメジ科

2

ムラサキシメジ

ムラサキシメジ属

キシメジ科

3

カキシメジ

キシメジ属

キシメジ科

4

エセオリミキ

アカアザタケ属

キシメジ科

5

マツカサキノコモドキ

マツカサキノコ属

キシメジ科

6

ナラタケ

ナラタケ属

キシメジ科

7

テングタケ

テングタケ属

ウラベニガサ科

8

ヒトヨタケ

ヒトヨタケ

ヒトヨタケ科

9

モエギタケ

モエギタケ属

モエギタケ科

10

ニガクリタケ

クリタケ属

モエギタケ科

11

アシナガヌメリ

ワカフサタケ属

フウセンタケ科

12

ウスフジフウセンタケ

フウセンタケ属

フウセンタケ科

13

チャツムタケ

チャツムタケ属

フウセンタケ科

14

ワカクサウラベニタケ

イッポンシメジ属

イッポンシメジ科

15

チチアワタケ

ヌメリイグチ属

イグチ科

16

ヌメリイグチ

ヌメリイグチ属

イグチ科

17

ハツタケ

チチタケ属

ベニタケ科

18

ヒトクチタケ

ヒトクチタケ属

サルノコシカケ科

19

ツガサルノコシカケ

ツガサルノコシカケ属

サルノコシカケ科

20

カイガラタケ

カイガラタケ属

サルノコシカケ科

21

ヒイロタケ

シュタケ属

サルノコシカケ科

22

ホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

23

キホコリタケ

ホコリタケ属

ホコリタケ科

24

スッポンタケ

スッポンタケ属

スッポンタケ科

25

ホシノミタマタケ

ジャガイモタケ属

ジャガイモタケ科

26

オオショウロ

ショウロ属

ショウロ科

27

ツヅレシロツチダンゴ

ツチダンゴ属

ツチダンゴキン科

 

 

 

 

24 ホシノミタマタケ Octaviania asterosperma Vittad.              同定/室井

26 ツヅレシロツチダンゴ Elaphomyces mutabilis Vittad.             同定/室井

 

 

モエギタケ

(写真/seki

 

 

 

アシナガヌメリ

(写真/seki

 

ワカクサウラベニタケ

(写真/seki

 

ホコリタケ

(写真/なきのこ)

 

 

作成 買うとく