兵庫きのこ研究会
修法ヶ原定点観察会(2012.6.17)


6月 定点観察  曇りときどき晴れ 30人参加 
 雨はどうなるか・・・と心配された観察会でしたが、見事に止んでくれました!
まだ腐生菌のオンパレード。菌根菌は少しでした。
K徳さんの宿題、「アマタケとコゲチャクサカレハタケの違い」、分かりましたか?






今月の主役



これはダレでしょう? 歓談中


2012年 6月 17日修法が原観察記録

天候/曇り 参加者/39名 記録/51種
No.和名属名(新体系/旧体系)科名(新体系/旧体系)
001マツオウジマツオウジ属タマチョレイタケ科/ヒラタケ科
002 サマツモドキ? サマツモドキ属 キシメジ科
003 アマタケ モリノカレバタケ属/モリノカレバタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
004 コゲチャクサカレハタケ モリノカレバタケ属/モリノカレバタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
005 ワサビカレバタケ モリノカレバタケ属/モリノカレバタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
006 シイタケ シイタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
007 ダイダイガサ ダイダイガサ属 タマバリタケ科/キシメジ科
008 ウマノケタケ ホウライタケ属ホウライタケ科/キシメジ科
009 ワサビタケ ワサビタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
010 ※ヒメチシオタケ クヌギタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
011 ※ヌナワタケ クヌギタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
012 ヒメカバイロタケ ヒメカバイロタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
013 ウラベニガサ属の一種1 ウラベニガサ属 ウラベニガサ科
014 ウラベニガサ属の一種2 ウラベニガサ属 ウラベニガサ科
015 ハラタケ属の一種 ハラタケ属 ハラタケ科
016 キツネノカラカサ属の一種 キツネノカラカサ属 ハラタケ科
017 キララタケ? キララタケ属/ヒトヨタケ属 ナヨタケ科/ヒトヨタケ科
018 イタチタケ ナヨタケ属 ナヨタケ科/ヒトヨタケ科
019 フミヅキタケ フミヅキタケ属モエギタケ科/オキナタケ科
020 アセタケ属の一種 アセタケ属 アセタケ科/フウセンタケ科
021 イチョウタケ イチョウタケ属/ヒダハタケ属 イチョウタケ科/ヒダハタケ科
022 コショウイグチ コショウイグチ属 イグチ科
023 アイバシロハツ ベニタケ属 ベニタケ科
024 シロクロハツ ベニタケ属 ベニタケ科
025 ベニタケ属の一種1 ベニタケ属 ベニタケ科
026 ベニタケ属の一種2 ベニタケ属 ベニタケ科
027 スエヒロタケ スエヒロタケ属 スエヒロタケ科
028 カンゾウタケ カンゾウタケ属 カンゾウタケ科
029 ※アクイロウスタケ アンズタケ属 アンズタケ科
030 ハイイロカレエダタケ? カレエダタケ属 カレエダタケ科
031 ホウキタケ属の一種 ホウキタケ属 ラッパタケ科/ホウキタケ科
032 フサヒメホウキタケ フサヒメホウキタケ属/クラビコロナ属 マツカサタケ科/フサヒメホウキタケ科
033 サビハチノスタケ? サビハチノスタケ属? タマチョレイタケ科
034 ヒトクチタケ ヒトクチタケ属 タマチョレイタケ科
035 ヒイロタケ シュタケ属 タマチョレイタケ科
036 カワラタケ シロアミタケ属 タマチョレイタケ科
037 カイガラタケ カイガラタケ属 タマチョレイタケ科
038 アオゾメタケ オオオシロイタケ属/オシロイタケ属 ツガサルノコシカケ科/サルノコシカケ科
039 ツガサルノコシカケ ツガサルノコシカケ属 ツガサルノコシカケ科/サルノコシカケ科
040 アカショウロ ショウロ属 ショウロ科
041 ※コクロツブタケ(広義) Octaviania nonae? ホシミノタマタケ属/ジャガイモタケ属 イグチ科/ジャガイモタケ科
042 ヒメノガステル属の一種 ヒメノガステル属 モエギタケ科/ヒメノガステル科
043 ツチグリ ツチグリ属 ディプロシスティディウム科/ツチグリ科
044 アラゲキクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
045 キクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
046 ヒメキクラゲ ヒメキクラゲ属 キクラゲ科/ヒメキクラゲ科
047 ニセキンカクアカビョウタケ ディケファロスポラ属 ルトストロエミア科/キンカクキン科
048 クロチャワンタケもしくはニセクロチャワンタケクロチャワンタケ属 クロチャワンタケ科
049 ※シロキツネノサカズキ シロキツネノサカズキ属 ベニチャワンタケ科
050 アラゲコベニチャワンタケ近縁種 アラゲコベニチャワンタケ属 ピロネマキン科
051 Aschersonia goldiana? アスケルソニア属 バッカクキン科
010 ヒメチシオタケ Mycena sanguinolenta (Alb. & Schwein.) P. Kumm.  同定/幸徳
定点観察会初記録。 チシオタケよりも小さく、傘の径は1cm前後のキノコである。傘や柄を傷をつけるとチシオタケのように赤色の液が滲み出るのが特徴。
011 ヌナワタケ Roridomyces roridus (Fr.) Rexer   同定/幸徳
 定点観察会初記録。 柄に著しい粘液が付着するのが特徴。類似種のハイイロナメアシタケとは、ハイイロナメアシタケの傘は粘性があるが、ヌナワタケの傘は粘性がない点において区別できる。  本種は、以前はクヌギタケ属Mycena であったが、最近の分類ではヌナワタケ属Roridomyces となっている。
029 アクイロウスタケ Cantharellus cinereus Pers.   同定/幸徳
現地ではアクイロウスタケ?と同定したが、検討した結果、本種と思われるので疑問符をはずした。
042 コクロツブタケ(広義) Octaviania nonae Orihara? 同定/大前 採集/幸徳、竹内(兄)
 過去の定点観察会において「ジャガイモタケ属の一種」「コクロツブタケ」と同定したキノコ。本種は肉眼的に、他のホシミノタマタケ属菌と比較し、表皮が厚く、触れると黒変することによって特徴づけられ、今年、神奈川県立生命の星・地球博物館の折原貴道氏により新種として報告された。ホシミノタマタケ属Parcaea亜属には、本種の他に、O. decimae、O. mortaeおよびO. celatifiliaが含まれるが、それぞれが形態的に区別が困難な隠蔽種であり、正確な同定にはDNAの塩基配列情報が必要である。今回採集された標本はParcaea亜属に含まれることは間違いないが、過去のO. nonaeの採集場所とは異なるため、疑問符を付けた。
050 シロキツネノサカズキ Microstoma floccosum (Schwein.) Raitv.
 定点観察会初記録。 比較的珍しいキノコである。


アクイロウスタケ



文:奥田
同定:中嶋、幸徳、大前
写真:小岩井、中島、幸徳
作成:奥田