兵庫きのこ研究会 修法ヶ原定点観察会(2013.6.16)

6月。梅雨の季節のはずが、前日の15日を除いて、観察会までほとんど雨が降りませんでした。
沢山のカエルやヘビには出会えたのですが、肝心のきのこにはなかなか出会えませんでした…。見つかっても、前日の雨で形が崩れていたり、ヒトクチタケみたいな硬質菌だったりと、何か物寂しい感じでした。
夏にはきのこが多く発生するので、来月に期待です。

紫水晶のような謎の生物

2013/7/8追記
信州大学大学院の山本航平氏よりチャワンタケ科のアナモルフ Chromelosporium属ではとの意見を頂きました。


水を吸って元気いっぱいのキクラゲ

こちらも元気いっぱい 
アカキクラゲの仲間(Dacrymyces punctiformis?)

アマタケ

図鑑を片手に同定中

2013年6月16日 観察記録

天候:曇りのち晴れ 参加者:29名+シルバーカレッジ6名
  和名 属名(新分類/旧分類) 科名(新分類/旧分類)
1 ウスヒラタケ ヒラタケ属 ヒラタケ科
2 マツオウジ マツオウジ属 キカイガラタケ科/ヒラタケ科
3 アマタケ モリノカレバタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
4 シイタケ シイタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
5 ヒメキシメジ ヒメキシメジ属 ホウライタケ科/キシメジ科
6 ウマノケタケ ホウライタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
7 ケナワタケ? ホウライタケ属 ホウライタケ科/キシメジ科
8 ダイダイガサ ダイダイガサ属 タマバリタケ科/キシメジ科
9 ヒノキオチバタケ スギカワタケ属 タマバリタケ科
10 ワサビタケ ワサビタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
11 キチャホウライタケ ヒメカバイロタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
12 ヒメカバイロタケ ヒメカバイロタケ属 クヌギタケ科/キシメジ科
13 タマゴテングタケモドキ テングタケ属 テングタケ科
14 ヒトヨタケ ヒトヨタケ属/ヒトヨタケ属 ナヨタケ科/ヒトヨタケ科
15 ムラサキフウセンタケ フウセンタケ属 フウセンタケ科
16 イチョウタケ イチョウタケ属/ヒダハタケ属 イチョウタケ科/ヒダハタケ科
17 アイバシロハツ ベニタケ属 ベニタケ科
18 アカカバイロタケ ベニタケ属 ベニタケ科
19 ケショウハツ ベニタケ属 ベニタケ科
20 クサハツ近縁種 ベニタケ属 ベニタケ科
21 カンゾウタケ カンゾウタケ属 カンゾウタケ科
22 ホウキタケ属の一種 ホウキタケ属 ラッパタケ科/ホウキタケ科
23 フサヒメホウキタケ フサヒメホウキタケ属/クラビコロナ属 マツカサタケ科/フサヒメホウキタケ科
24 ヤケイロタケ ヤケイロタケ属 シワタケ科/サルノコシカケ科
25 アミスギタケ タマチョレイタケ属 タマチョレイタケ科
26 ヒトクチタケ ヒトクチタケ属 タマチョレイタケ科
27 オシロイタケの仲間 シミタケ属/オシロイタケ属 タマチョレイタケ科
28 シカタケ シカタケ属 タマチョレイタケ科
29 シハイタケ シハイタケ属 タマチョレイタケ科
30 オシロイタケの仲間 オシロイタケ属 タマチョレイタケ科
31 ミカワタケ? ハチノスタケ属 タマチョレイタケ科
32 アイカワタケ アイカワタケ属 ツガサルノコシカケ科/サルノコシカケ科
33 アイカワタケ(ヒラフスベ型) アイカワタケ属 ツガサルノコシカケ科/サルノコシカケ科
34 ツガサルノコシカケ ツガサルノコシカケ属 ツガサルノコシカケ科/サルノコシカケ科
35 レンガタケ マツノネクチタケ属 ミヤマトンビマイ科/サルノコシカケ科
36 ワヒダタケ タバコウロコタケ属/ワヒダタケ属 タバコウロコタケ科
37 ネンドタケ キコブタケ属 タバコウロコタケ科
38 ツチグリ ツチグリ属 ディプロシスティディウム科/ツチグリ科
39 サンコタケ サンコタケ属 スッポンタケ科/アカカゴタケ科
40 ハナビラニカワタケ シロキクラゲ属 シロキクラゲ科
41 アラゲキクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
42 キクラゲ キクラゲ属 キクラゲ科
43 ヒメキクラゲ ヒメキクラゲ属 キクラゲ科/ヒメキクラゲ科
44 ヒメキクラゲの仲間 ヒメキクラゲ属 キクラゲ科/ヒメキクラゲ科
45 モモイロダクリオキン アカキクラゲ属 アカキクラゲ科
46 Dacrymyces punctiformis? アカキクラゲ属 アカキクラゲ科
47 オチバノアカビョウタケ ランツィア属 トウヒキンカクキン科/キンカクキン科
48 クロサイワイタケ科の一種 ?属 クロサイワイタケ科
49 クロメロスポリウム属の一種 クロメロスポリウム属 チャワンタケ科
50 ツノホコリ ツノホコリ属 ツノホコリ科

7 ケナワタケ?  Marasmius cf. funalis Har.Takah.

同定/高橋春樹 文/和田(匠)
 傘の径は2〜6mm半球形で成長しても平らにはならない。傘には溝線があり、赤褐色のち淡褐色。柄は糸状で上部は淡褐色、他は黒褐色を帯び、密毛に覆われていて強靭。このような個体は兵庫県では初観察だと思い、専門の高橋春樹氏に標本を見ていただいたところ、顕微鏡的にケナワタケに類似した特徴を持つとの連絡を頂いた。しかし、生標本における未確認のデータがあるとのことなので、現時点では「?」とした。
<参考:八重山諸島のきのこ

9 ヒノキオチバタケ Marasmiellus chamaecyparidis (Hongo) Hongo

 同定/和田(匠)
 スギやヒノキ等の針葉樹の枯れ葉または枯れ枝から発生する。特徴は全体が白いが、柄の基部が多少褐色がかる。ヒダは極めて粗。柄の表面が微粉状。類似種にスギノオチバタケがあるが、どちらもスギにもヒノキにも生える。スギノオチバタケは柄が暗褐色なので見分けられる。

ケナワタケ?

ヒノキオチバタケ